手を動かすことのマジック

UXデザイナーにとって、ハンズオンー手を動かすことがいかに大切か、いくら強調してもし足りません。

ハンズオン、手を動かすこととはどういう意味でしょうか?

UXデザイナーにとってもハンズオン、手を動かすと言うことは、つまり実際にプロジェクトに取り組み、問題を定義したり、競合他社をリサーチしたり、UXコンセプトをタスクフロー、ワイアーフレーム、プロトタイプなどの形にビジュアライズしたり、ユーザーテストを実施したり、ユーザーテストの結果をまとめたり、それらの結果に基づいてデザインを修正したりすることです。

人間は他の動物と違って、まだ起こっていない未来のことを考えたり想像することができます。この能力によって、私たちはいろいろな将来のシナリオを頭の中で思い描き、未来に備えることができます。

でも、この能力は私たちの足かせにもなります。

先々のことをアレコレと考えすぎてしまうからです。いったん先のことを考え出すと、悲観的なシナリオばかりを思い浮かべてしまい、あれこれ心配してしまいます。それらはまだ起きてもいない幻想に過ぎないのに。

このような状況に陥らないための良い方法の1つが、今、手を動かすことに集中する、と言うことなのです。

目の前のUXプロジェクトの具体的なタスクに集中し始めると、あなたのフォーカスは幻想から現実にシフトします。

具体的なタスクは現実に形のあるものなので、そのタスクによって作り出されたものとあなたとの間に、ポジティブなフィードバックループが作動し始めるのです。

このフィードバックループが始まると、あなたのモチベーションにもスイッチが入ります。

ワイアーフレームの作成などといった具体的なタスクは、ワイアーフレームなど、目に見える、形のある成果物を作り出します。

このような形のある成果物を目にした瞬間から、「もっと、此処をこうしたらよくなるな!」といった形で、あなたはその成果物をよりよくするための方法を考え始めるのです。

そしてもし仮に、あなたが自分自身のフィードバックに煮詰まってしまったとしても、具体的な成果物があるので、今度はそれを元に他の人たちからフィードバックをもらうことができます。他の人の意見や視点は、得てして自分では思いもよらなかった考えに気づかせてくれたりするものです。

このポジティブなフィードバックループは、とても強力です。

あなたの仕事を前に進めるためのエンジンの役割を果たします。

はfじめたときにはごくシンプルでラフだったものが、あれよあれよと言う間に結構面白いものに進化していく様に、びっくりするかもしれません。

手を動かす時、フィジカルな作業も含めるとより効果的です。例えば、UXコンセプトを手書きでスケッチしてみるとか、ポストイットを使ってタスクフローを作るといった具合にです。

手を動かすことの素晴らしさは、様々に異なったバリエーションを加えることによって、より多くの刺激を受けることができ、それがポジティブなフィードバックループ自体を加速させると言うことです。

いったん動き出すと、それはまるで手品のようです!

常にハンズオンー手を動かしましょう。目に見える、形のある成果物を作り、ポジティブなフィードバックループをスタートさせましょう。

そしてそのフィいーどバックループに燃料を注ぎ続けてください。

周りの人たちに声をかけて、コメントやフィードバックをもらいましょう。

フィジカルなアクティビティを織り交ぜて、五感を刺激しましょう。

考えをポストイットに書き出して、壁に貼り付けましょう。

ワイアーフレームやタスクフローをプリントアウトして壁に貼りましょう。

手書きのスケッチを描きましょう。

プロトタイプを作りましょう

手を動かすことが重要なのです。

手を動かすことにより、ポジティブなフィードバックループが始動して、あなたをはるか遠くまで連れていってくれます。

手を動かしてものを作りましょう!

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プロダクトマネージャーとエンジニアとのコラボレーションはUXデザイナーにとって致命的に大事

UXデザイナーは担当するプロダクトのロードマップとバリュープロポジションについてしっかりと理解しなくてはなりません。

UXを学校などで勉強しているときは、UXだけに集中しているのでUXを他のものから切り離して考えがちです。でも、現実には、UXは単体では存在しません。 UXは、あくまでもより大きなプロダクトチームの一部なのです。

PM(プロダクトマネージャー)とエンジニアとのコラボレーションなしには、何も始まりません。

たとえUXデザイナーが美しいプロトタイプを作ったとしても、それが実際のプロダクトとして実装されなければ、何も意味はありません。プロダクトを実装するためには、エンジニアが絶対に必要なのです。

そしてそのエンジニアが何をするかは、プロダクトマネージャーによってプライオリティ付けがされます。なぜならプロダクトマネージャーがプロダクトロードマップを作っているからです。

多くのUXの教育の現場では、この重要な現実が無視されがちです。

しかし、このことを理解することは、UXデザイナーが成功するためには決定的に大事なことなのです。

UXはユーザーセンタードデザインを通して、常にユーザーの視点に立ち、ユーザーの声をプロダクトのデザインに反映させます。このユーザーの声や視点はより大きなプロダクトチームのメンバー、特にPMとエンジニアに伝えなくてはなりません。

最終的には、UXデザイナーの考えたUXデザインとソリューションは、プロダクトロードマップに示された計画通りに実装可能かどうか、検討される必要があります。

もしも、出来上がったUXデザインを計画通りに実装することが難しい場合、デザイン自体を修正する必要があるかもしれません。そのためには、PMとエンジニアとの密接なコラボレーションが必要不可欠なのです。

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新しいことを学び続ける旅ーそれがUXデザイナーの道

UXデザイナーの道は、新しいことを学び続ける旅のようなものです。

UXの分野はまだ新しいので、絶え間なく進化、そして拡大しています。それを支えるテクノロジーもまた、日々進化、拡大し続けています。結果として、UXデザイナーは数多くの基礎を学ぶのはもちろんのこと、常に学ぶべき新しい事柄の流れの中に晒されています。

学ぶべき基礎的なこと:ユーザー・センタード・デザイン、タスク・フロー、ユースケース、ストーリーボード、ワイアーフレーム、インフォイメーション・アーキテクチャ、インタラクション・デザイン、プロトタイプ、ビジュアル・デザイン、モーション・デザイン、マルチ・モーダル・エクスペリエンス、デザイン・イテレーション、ユーザー・ストーリー、ユーザー・ジャーニー・マップ、エンド・トゥ・エンド・ユーザー・エクスペリエンス、OOBE(アウト・オブ・ザ・ボックス・エクスペリエンス)、ブレインストーミング、アフィニティ・マップ…

必要なデザインツール:スケッチ、アドビXD、アクシュア、インビジョン、バルサミク、フォトショップ、イラストレーター、アフターエフェクト、エッジ…

ユーザーリサーチ関係で重要なこと:ユーザー・テスト、ユーザビリティ・テスト、エスノグラフィ・テスト、クオリテイティブ(質的)リサーチ、クオンティタティブ(量的)リサーチ、サーベイ(アンケート)、フォーカス・グループ、コンテクチュアル・インクワイアリー、A/Bテスト、ユーザー・リサーチによる発見、ペルソナ、エンパシー・マップ…

ユーザーリサーチツール:サーベイモンキー、タイプフォーム、グーグルフォーム…

アナリティクスツール:グーグル・アナリティクス…

UXプロセス、方法論、コンセプト: イテラティブ・デザイン・プロセス、リーン・デザイン・プロセス、ユーザー・ビヘイビア・モデル、デザインシンキング、デザインシステム、インクルシブ・デザイン、アクセシビリティ、リスポンシブ・デザイン…

より大きなプロダクトチームのプロセスやマネジメントツール: ウォーターフォールプロセス、アジャイル、ジラ、コンフルエンス、シェアポイント、ボックス、ドロップボックス、ウェブエックス、狩野モデル…

UXトレンド:フラットデザイン、マイクロインタラクション、ボイスインタラクション、チャットボット、データビジュアライゼーション、オートメーション…

新しいテクノロジー:AI、マシンラーニング、ロボティクス、VR(バーチャルリアリティ)、AR(オーグメンテッドリアリティ)、ボイスアシスタント、自動運転車…


新しい技術は新しいユーザーエクスペリエンスを可能にしますが、そこには新たなインタラクションパラダイムが必要となります。新しいUXプロセスやテクニック、ツールはUXデザイナーの仕事のやり方を変えます。

これら全てにどうやってついて行けばいいのでしょう?

慌てても仕方ありません。腰を下ろして落ち着きましょう。

全てのことを一気に身につけることなど、誰にもできません。みんな、時間をかけてこれらのことを学んでいくのです。プライオリティをつけて、1つづつ自分のペースで学んで行きましょう。

学びのプロセス自体を楽しみましょう。

UXは、その分野自体が今なお進化、拡大し続けています。だからこそ、UXの世界は常にダイナミックな変化に満ち溢れ、とてもエキサイティングです!

新しいことを学ぶのを楽しむことさえできれば、あなたはきっと大丈夫です!

ユーチューブビデオもご覧ください(英語)